センサラウンド方式

3月11日午後2時46分、
よりによってオレは渋谷のブックオフにいたんですよ。
2階の文庫105円棚、海外・新潮文庫の前。


↓この本を手に取って、持っていたところだった。


モーリス・ルブラン:著/堀口大學:訳『ルパン傑作集(V) ルパン対ホームズ』新潮文庫


もちろん昭和57年だかに増刷の、旧装幀の本。


その前に、先に新書ノベルス105円棚を廻っていて、
↓この本も取り出して持っていた。


FRESH.jpg 宇能鴻一郎:著『濡れて探る』光文社:カッパノベルス【参照】


そこへ、センサラウンド方式の上映が始まった。


あんまり特殊効果が長いので、
オレは棚の前に座り込んでしまったが、それでも、なかなか終わらない。


通路の反対側の、新書ノベルス棚の、最上段の本が
まとめて落ちてきた。


店内アナウンスで「階段で外へ出てください」と言われたが、
まだ微妙に揺れているし、
レジで会計も済ませていないので、そのまま座り込んでいた。


そろそろ治まったか…と思って棚の並びから出て行くと、
もう誰もいない。
ところどころの通路に本のカタマリが落ちている。


レジの場所まで行ってみたら、
集まってきている店員の群れしかいない。
もう一人、会計前の本を手にした客のオッサンが立っているばかりだ。


店員のお姉さんに「今すぐ外へ出てください」と言われて、
だいたいレジが動いていないみたいだったから、
オレは買おうと思っていた2冊の本をカウンターの上へ置きっぱなしにして、
そのまま階段から店の外へ出た。


外へ出てからの展開は、皆様が経験されたモロモロアレコレと、ほぼ同じです。


オレは渋谷の駅前から、
成城学園前行きの東急バスに乗って帰宅できたのだが、
駅前へ出る途中で見かけたセンター街の店は、
どこも普通に営業していたし
(しかも店頭に細かい商品をキチンと並べて!)
バスの中から見かけた246のブックオフ三軒茶屋店では、
店内で立ち読みしている客の姿なども見えた。
(すぐ外から見えるんだから、あれはコミック売り場の客ですね。)
だから、すぐに店を閉めて店員全員を集めて善後策を協議していた
渋谷ブックオフの対応は過剰にすぎるのか、とも思いました。
(あのブックオフが入っている渋谷のビル自体が、
 もともと老朽化していて相当にヤバい物件だったのか、とも勘繰った)


昨日の今日で、まだ地面は揺れておりますので
上手くまとめたようなことは申せませんが、
昨日オレが買いそびれた2冊の本には、
もう今後は一生、二度と出会えることはないのだろう、と予感しています。