あゆみの箱!
『夢路いとし・喜味こいし 漫才傑作選/ゆめ、よろこび しゃべくり歳時記』(DVD×5)
夢路いとし師匠を追悼した、2003年の【掲示板泌沖】より再録。
>「お利口にグリコ!」 投稿者:石川誠壱 投稿日: 9月29日(月)16時25分33秒
>
> (こっちのほうが感慨深い。
> よく幼稚園で連発して嫌われたし、
> 自分でも言われたらイヤだったから。)
>
> *
>
> 「5万円7万円10万円運命の分かれ道!」は、
> その以前には、
> 「3万円5万円7万円」だった。
>
> ずっと「3万円5万円7万円」のルールだと思っていたものが、
> いつの間にか、気がついたら「5万円7万円10万円」になっていた、というのは、
> 幼な心に非常な違和感として残っている。
> 違和感というより、それは恐怖だった。
>
> 高度経済成長で、景気のいいインフレ社会だから、
> その御時世にあわせて値上げしたのか…というような、
> 社会的な意味などは、明らかに考えてなかったのだが(子供だから)、
> ただ、もう、「10万円」という金額が、
> 当時のオレには、まったく想像できない数字だったのだ。
>
> (「3万円5万円7万円」の、
> さらに以前には「1万円3万円5万円」だったらしいけど、
> その頃のことは記憶にありません)
>
> 「7万円」までは、どうにか把握できていたのだと思う。
> 当時のオレの中の「大金」という概念の最大値は、
> いとし師匠の叫ぶ「7万円!」が限界だったのである。
>
> それが、世の中の景気などは知りゃしないけれども、
> とうとう最高金額が「10万円」になってしまったところから、
> そのお買い物ゲームのリアルさは、オレの想像を越えたのだ。
>
> 6ケタの数字、というものに、それまで触れたことがなかったのだろう。
>
> もちろん算数としてなら、
> 4ケタの上は5ケタ、5ケタの上は6ケタ、
> それぐらいの計算なら出来る。
>
> しかし、それが「金額」という、
> 日常の中にあるリアルな数字としての6ケタになれば、
> とたんに感覚がついていかなくなる。
>
> 7万の上には8万があり9万があり、
> そして10万がある、というのは頭で考えれば理解できるけれど、
> 金額としての「10万円」は、
> 完全にオレの理解の外にある、未知の領域の話だったんですね。
>
> あまりにも分からないから、だから、怖かったのだ。
>
> (で、それが30年以上も経った今でも、
> オレと「10万円」の間には、乗り越えられない大きな壁が立ち塞がっている…というのが
> 恐ろしいジャマイカ。笑わせるジャマイカ。)
>
> だから、グリコワンタッチカレーで端数を埋め合わせ…という趣向が、
> ものすごく理解しやすい演出として、心に刻まれていますねえ。
>
> また、出場者の全員が、ノルマで必ず、
> グリコワンタッチカレーを買わなくちゃいけない(最低10個だっけ?)というのも、
> 面白いと思った。
>
> ワンタッチカレーって、1個10円だっけ? 20円だっけ?
>
> そりゃもう、理解し放題。感じ取り放題。
>
> (あと、このグリコの番組のおかげで、
> オレは「中津川フォーク・ジャンボリー」と言われると、
> 常に脳裏に巨大なフランクフルトソーセージの画が浮かぶ)
グリコの前は、
『オリエンタル・がっちり買いまショウ』だった。
その頃の決め台詞は、何と言っていたのだろう。
もちろん観ていたはずなのに、記憶がないけど。
「お利口に」の「オリ」というのは、
オリエンタル時代の名残りだったのだろうか。
(ああ、そうだ!
オリエンタルは「がっちり食いましょう!」だ!)