キャプテン&デニール

 エド・マクベイン:著/羽地和世:訳『逃げる』早川書房ハヤカワ・ポケット・ミステリ
「著者まえがき」
「インタヴュー」
「すれちがい」
「相乗り」
「隣室のふたり」
「被害者」
「知ッテイル」
「逃げる」
「訳者あとがき」


短篇『逃げる(Running from Legs)』より、
巨匠エド・マクベインの描写する「絶対領域」。


   今夜の彼女はシンプルな黒いドレスを着ていた。装飾の
  ない黒いサテンで、シルエットは細身で背中が大きく刳れ、
  四角い襟元は真珠で飾られている。ウエストの位置は低く、
  裾の線は腿の真ん中あたりにかかり、巻き上げた絹レース
  のストッキングとのあいだに、白い肌が三インチほど広が
  っていた。


ナイスデニール

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20101230052649 オットー・ペンズラー:編/倉橋由美子 他:訳『愛の殺人』ハヤカワ文庫HM
「まえがき」オットー・ペンズラー
「死にいたる時間」ウイリアム・J・コーニッツ/黒原敏行:訳
「誰がために発信音は鳴る」キャロル・ヒギンズ・クラーク/岡田葉子:訳
「激情としか言いようのない犯罪」メアリ・ヒギンズ・クラーク/深町眞理子:訳
「ホット・スプリングズ」ジェイムズ・クラムリー田口俊樹:訳
「愛の値打ち」ジョン・ガードナー/後藤安彦:訳
「ストーカー」フェイ・ケラーマン/高橋恭美子:訳
「愛あればこそ」ジョナサン・ケラーマン/佐藤耕士:訳
「カレンが寝た男」エルモア・レナード/高見浩:訳
「赤粘土の町」マイケル・マローン/高儀進:訳
「ナンシー・ドルーの回想」ボビー・アン・メイソン/亀井よし子:訳
「レッグズから逃れて」エド・マクベイン/井上一夫:訳
「パラダイス・モーテルにて」ジョイス・キャロル・オーツ小尾芙佐:訳
「傷心の家」サラ・パレツキー山本やよい:訳
「ゆすり屋」アン・ペリー/吉澤康子:訳
「そのために女は殺される」シェル・シルヴァスタイン倉橋由美子:訳
「真実の犯罪」ドナ・タート/吉浦澄子:訳


同じ短篇『Running from Legs』の、
井上一夫による別訳『レッグズから逃れて』より、
同じ場面の「絶対領域」描写。


   今夜の彼女は黒が基調の服装だった。シンプルな黒サテンでほっそりしたシルエットだ。背
  中を出して、四角いネックラインに真珠が引き立つ。ウエストラインも低く、裾も、ブロンド
  色のシルク・ストッキングの上端とドレスとの間三インチの白い腿のあたりにあった。


ナイスデニール