自主規声(立木文彦)

 三葉:著『30歳の保健体育』一迅社


http://30sai.jp/


「チョメチョメ!」


何だこりゃ。


前夜の『カイジ』で痛快に流れていた
「豪遊!」
「豪遊!」
「豪遊!」
「チンチロリーン!」の
悪ノリした立木文彦ボイスとは、
同じ声なのに全く意味の異なる不気味な使い方。


これが、この伏字だらけが「初出」って…。


江戸川乱歩の『芋虫』か!


 江戸川乱歩:著/東雅夫:編『火星の運河』角川ホラー文庫【参照】)(【参照】
第一部「乱歩地獄/非現実への愛情」
   「    /火星の運河」
   「    /鏡怪談」
   「    /悪夢」(「新青年」1929.01)
   「    /妖虫」
   「    /映画の恐怖」
第二部「懐かしき夢魔/残虐への郷愁」
   「      /郷愁としてのグロテスク」
   「      /人形」
   「      /瞬きする首」
   「      /お化人形」
   「      /レンズ嗜好症」
   「      /旅順海戦館」
   「      /「幽霊塔」の思い出」
   「      /こわいもの(1-2)」
   「      /ある恐怖」
   「      /声の恐怖」
   「      /墓場の秘密」
第三部「ホラーへの誘い/透明の恐怖」
   「       /フランケン奇談」
   「       /文学史上のラジウム
   「       /病める貝」
   「       /マッケンの事」
   「       /群集の中のロビンソン・クルーソー
   「       /少年ルヴェル」
   「       /人花」
   「       /ヒッチコックのエロチック・ハラア」
   「       /スリルの説」
第四部「怪談入門/怪談入門」
   「    /怪談二種」
   「    /猫と蘭の恐怖」
   「    /祖母に聞かされた怪談」
   「    /西洋怪談の代表作」


むしろ現在は、軍国主義体制下の昭和4年並みに
表現者にとってはヒドい時代だってことなんだろうなあ。

*


仮面ライダーW』における
立木文彦ボイスの潤沢な使い方に喜んだオレは、
2010年4月号の『こちら熟女捜索隊』に、こう書いた。


   声優・立木文彦の声が流れるラーメン丼が
   欲しい。箸とも連動していて、つまみ上
   げるたびに「メンマ!」「チャーシュー!」
   「スープ!」とカッコいいシャウトが聞こえ
   る。急いで掻き込むと「メンマメンマ!スー
   プ!ワンタン!」と、うるさくてしょうがな
   いんだけど、何か強いものに変身できそうで、
   きっと楽しいことだろう。夢をカタチにして
   くれる企業が、そんな開発に成功する頃には
   もちろん我々すべての日常生活が立木文彦
   みれ。ビールを飲めば「ビール!」コーヒー
   を飲めば「コーヒー!」「ミルク!ミルクス
   プーン!シュガー!」「カップカップカッ
   プ!」トイレに行けば「ファスナー!」「ペ
   ニス!」「アナル!ペーパー!」ベッドでも
   「ペニス!ペニス!カウパー!」相手も負け
   じと「ヴァギナ!ヴァギナ!ラビアヴァギナ
   バルトリン!」そっちは日高のり子の声なの。


ところが1年後、現実では、
「ペニス!」や「カウパー!」を隠蔽するために
立木文彦が使われているのであった。


嗚呼。